シニアパワーの活用

senior powerもうすぐ敬老の日。

川崎市の市内高齢者のうち、最高齢が麻生区在住の109歳の女性、男性では川崎区在住の106歳の男性ということです。

そして、100歳以上の市民は男性78名、女性455名の合計533名いらっしゃるということです。

 

人生100年時代と言われますが、仮に高校卒業後に働き始め、60歳定年だとすれば、42年働く。そして、40年の老後という計算になります。

でも、60歳定年後に、再就職したり、地域での活動に参加したりということで、60歳以降の過ごし方が人それぞれでいろいろな考え方があります。

 

健康寿命の長い方は、食生活だけでなく、適度な運動や外に出る機会をたくさん設けています。

 

外に出かけるのに、少しでも収入があれば、働くことを目的に外出し、その労働の対価でまたやりたいことをやる。

 

昨今、年金受給年齢を70歳に引き上げるために、定年を65歳に引き上げるのではないか?そのためには、まず公務員から。

なんて、噂が聞こえ始めています。

しかし、年金受給年齢という財政課題もさることながら、人が生きる上で働くというのは、生きる尊厳のひとつであり、かつての60代や70代とは異なり、現在の60代70代の人々は精神的にも体力的にも労働力となり得る人の割合が高いと言えます。

平成27年の国勢調査によると、川崎市の労働力人口のうち、65才から74才の労働力人口は10年間で、56%増と飛躍的に増加しています。

そして、そのシニアパワーを活用することが我が国の労働力不足をカバーしていくことになります。

 

シニアの方に、これまでの経験を生かした仕事もあれば、別の分野での単純労働もあり、それぞれの考え方や体調に合わせた労働形態で仕事をする可能性はたくさんあります。

しかし、年齢制限という一つの指標で区切られてしまうのも現実で、大規模な事業者ほど、そこで線引きをせざるを得ないという側面もあります。

ここで、強みを見せるのが中小企業になります。

何十名を面接するのではなく、数名の面接ですから、より人材に丁寧に向き合える。そして、年齢要件でひっかかってしまった人も面接に来ますが、ここからシニアダイヤの原石を発掘できる可能性があります。原石どころか、すでに磨かれて、素晴らしいダイヤモンドになっている人材を発掘できるかもしれません。

 

働くストレスで体調を崩すケースもありますが、働くことで健康になるケースもあり、一概に労働と健康を結びつけることはできませんが、働くという目的をもって健康維持する機会にもなり、健康寿命を延ばすきっかけのひとつになり得ます。

 

敬老の日は「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という視点が始まりと言われます。

そもそも、老人の定義は高齢者の括りとしての65才以上にすべきかさえ考え直さなければいけませんが、仮に65才以上を「老人」というなら、知恵を借りるだけでなく、体も借りられる時代になりました。

 

シニアパワーの新しい時代を切り開く、そんな労働力確保を進めて行きたいです。