否決の理由がわからない!

teiansetsumei3月15日、定例会最終日。
私は、条例提案議員6名を代表し、「川崎市町内会・自治会の活動の活性化に関する条例の一部を改正する条例の制定」について、提案説明を行いました。

全文は以下のとおりです。

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議員提出議案第3号川崎市町内会・自治会の活動の活性化に関する条例の一部を改正する条例の制定について、提案者を代表し、提案説明を行います。

川崎市町内会・自治会の活動の活性化に関する条例は、地域コミュニティの中核を担う町内会・自治会の活動の活性化を目的とし、平成26年12月に議員提案条例として制定、翌27年4月より施行されました。
この4年間で社会情勢の大きな変化と高齢化の進行により、町内会・自治会の活動は、以前より負担感が増し、活動の維持継続が厳しい状況にあるところも存在します。
現行条例において、市の責務について、町内会・自治会に支援を行うこと、その負担に配慮すること等を定めています。
こうした中、市から町内会・自治会へ交付される謝礼金・補助金のうち、明確な基準のない公金支出が存在します。実体として町内会・自治会の協力による謝礼であっても、このような支出は誤解や風評を招きかねず、その活動に新たな負担を生む危険性を持っています。
つまり、町内会・自治会と市のパートナーシップという言葉で、お互い様の感覚で進められてきたことが、新たな負担を生むリスクがあります。
「お互い様」という我が国の伝統文化から時代が移り変わり、ルールの整備を行わなければ、そのような寛容な社会文化を守ることができない時代になって来ました。
さらに、今後、地域包括ケアシステム等の地域に関わる新しい制度の創設等により、新たな事務が町内会・自治会の活動に加わる可能性もあり、同様の危険性があることから、適切なルールの下に謝礼金・補助金が支払われることで、その活動の活性化が将来に向けて妨げられないようにする必要があります。
加えて、町内会・自治会への活動資金源で市から支出されるものの交付根拠を明示することにより、他の任意団体とは異なる性格のものであることを示すことにもつながります。

これまで、川崎市議会の中で、公金支出の明確性を求める議論や、会派に所属する議員からも市に対し謝礼金の基準の明確性を求める指摘なども行われています。公金の取扱いについて、補助金、助成金、報奨金、謝礼金などの性格によって内容は異なりますが、基準は設置すべきものと、すべての議員が認識していることと思います。

以上のことから、町内会・自治会の活動の活性化を進める上で、市が公金支出に関わる点において、一定の基準を明確にすることが必要であると判断し、本条例案を提案するものです。
本条例案の策定にあたり、骨子案を市内すべての町内会・自治会の会長に送付するとともにホームページで意見募集を行いました。

頂いた御意見のうち、本条例案に賛同する御意見がもっとも多く、次に多かったのが、本条例案に関することではないものの切実なる現状の課題を訴えるものであり、今後の活動に活かしていくべき生の声も頂けたと感じます。また、本条例案について、内容の説明を求めるものや、消極的な意見もわずかながらございましたので、結果公表の際にご説明させて頂いたところです。
これらの意見を踏まえ、人々の暮らし方は日進月歩で変化を遂げ、本条例案は速やかなる制定を要すると判断し、今定例会に提案しました。

本条例案の改正の内容でございますが、市の責務を定める第4条に新しく1項を追加します。
追加する項の内容を説明します。

市は、町内会・自治会の特定の活動に対して謝礼金、補助金その他市長が別に定める公金を反復して支出する場合においては、あらかじめ当該活動の内容、当該公金の額及び支出の時期その他必要な事項について定めるものとします。
続きまして、附則でございますが、この条例の施行期日を平成31年10月1日とします。

内容はただいまご説明させて頂いた通りでございます。
市の基準の未整備により、町内会・自治会に新たな負担を強いるリスクがあり、これを排除するのは、市民代表たる我々市議会としては当然のことであり、当たり前のことを当たり前にすることが我々議員の責務ではないでしょうか。
議員各位におかれましては、本条例案の趣旨を十分ご理解頂き、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げて、提案説明とさせて頂きます。
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否決される条例案というのは、市長の特別秘書設置議案のような一部の人の利益になる恐れのあるものや、極端な財政負担を強いるもの、公平性に欠けるものなどです。
今回の条例改正案で、町内会・自治会の負担を増やすのではないかという意見を頂きましたが、第4条4項に「町内会・自治会の負担が過重にならないよう十分な配慮をする」という上位条文の規定がある。そのため、手続きに負担を課す要綱の設置はできないため、負担を課すものにはできないことになっています。
市民の方からの疑問にお答えするのは当然ですし、そういう質疑が議員からあれば説明もしますが、議員ですから、上位条文が優位にあることぐらいわかってるはずですなので

今回の条例案は、市からの公金支出の明確な基準の設置を求めるという極めて当たり前のこと。
これが、質疑も討論もなく否決。
謎です。

今回の件は、今日26日付の東京新聞さんにも取り上げて頂いています。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201903/CK2019032602000125.html