川崎市の感染拡大防止協力金について

スケジュール今回の臨時会では、個人事業主を始めとした市内中小事業者に感染拡大防止協力金を給付すべきで、臨時会の補正予算案になかったため、これを導入する戦いがありました。

 

そこで、選択肢がいくつかあります。

1、代表質疑によって、市長が心変わりをして修正案を提出する。

2、代表質疑によって、市長が6月議会に補正予算として提出する。

3、議員が修正案を提出し、可決する。

4、議員が組替動議を提出し、可決され、市長が修正案を提出する。

5、議員が附帯決議を付した上で補正予算に賛成し、6月議会に市長が附帯事項についての補正予算として提出する。

 

この中で、もっとも早いと考えたのが、3の議員による修正案ですが、今回の補正予算にない事業を加えることは、市長の予算提案権を侵害するものになるため、提出できないということで断念。

次に1と2ですが、市長が代表質疑で心変わりした前例がないので、可能性薄。さらに議会日程が3日間ということからすると、厳しい。

4は、修正案と違って、組替動議なので、市長に「この案件は必要だから追加して」「この事業は縮小すべきだ」などと、修正を促すもの。しかし、これが議決されるということは本体の補正予算案は否決の見通しになるため、市長は速やかに修正案を検討することになります。あくまで市長が出し直すため、予算提案権の侵害にはあたりませんが、会期延長になり、少し議決が遅れます。

5の附帯決議は、「賛成するけど、こういう条件ね」というものです。しかし、附帯決議はあくまで意見のようなもので、拘束力がないデメリットがあります。

 

今回はスピード重視で、議員全員が要求する形をとるということで、組替動議に慎重な議員も乗れる形の附帯決議で協力金導入を求めることになりました。

 

 

 

臨時会後の市長の暴挙

臨時会では、各会派の代表質疑や総務委員会での審議の中で、多くの議員から「個人事業主を始めとした市内中小事業者に対し協力金」の導入を提案。

これに対し、市長側は「やらない」答弁を一貫していました。

しかし、本日の閉会直後、市長は新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、市内中小事業者に対する感染防止拡大協力金を突如発表。

では、議会答弁の訂正、もしくは、心変わりについての説明を市長は申し出るべきです。

そして、川崎市の感染拡大防止協力金は、次の通りの内容。

・給付金:10万円(1事業所あたり)

・対象:単月売上が、前年同月比で30~50%減の個人事業主を含む市内中小事業者。

ということは、手続きが煩雑になり、支給に時間がかかるということになります。

 

私は、様々な個人事業主の方や中小企業の方の声を聴いてきた上で、感染拡大防止協力金の導入と速やかな支給を求めて来ました。

今回の対応は、スピード勝負です。

今、困っている人に、すぐに給付するのが重要で、これが「命をつなぐ」給付です。

 

6月議会の先行議決の議案になると考えられますが、今日説明するのなら、市長は臨時議会の延長を申し出て、5月内議決をすべきでした。

 

青天の霹靂が、現在困っている人たちのためになる事業ならまだしも、困っている人に負担をかけるような事業なので、理解に苦しみます。

 

ここからは、私の想像の域ですが、市長は市議会が何を言っても聞く耳持たず。でも、附帯決議での議員からの要求に合わせ、議員の背中には市民のみなさんの切実な想いがあることを知ったからであると思います。市民の手に政治をしっかり取り戻すために、議員と市民がそれぞれの方向から市長を動かしたということになります。

ただ、手続きの複雑な支援金制度なので、1年以上営んでいない事業者も対象になるように、シンプルに、スピーディーに対応できるように、引き続き戦います。