議長会「自治会・町内会特別委員会」

2659906_s全国市議会議長会というのがあり、この機関紙「全国市議会旬報」が、毎月3回発行されています。

7月25日発行の全国市議会旬報において、「自治会・町内会の縮小・解散問題に関する特別委員会」が始動し、来年、国に要望・提言を行うということです。

我が国の町内会・自治会制度は、昭和15年の内務省の行政指導により、全国化・画一化されました。

地方自治を研究していて、私の知る諸外国の制度を見ていると、日本全国の自治体でほぼ画一化された制度になっていること自体が珍しいところです。しかし、行政機関ですら、画一化が珍しいのに、市民が自主的に運営する任意団体が画一化されているというのは、外国から見れば、奇跡に近いものであると考えます。

他方で、町内会・自治会への加入は、憲法の結社の自由からすると、強制できないものになっているものの、「A地域ならA町内会」という図式を私たちは自然に受け入れていますし、それだけ伝統的な制度であるわけです。

この奇跡に近い制度が、近年、縮小化傾向に進んでいます。それは、時代の変遷で、そもそも町内会・自治会に定義がない中で、自治体が支援しているという矛盾点からスタートします。

川崎市議会の議員提案条例

平成26年、私も含め川崎市議会議員有志で、「川崎市町内会自治会の活動の活性化に関する条例制定プロジェクトチーム」を発足させ、翌27年に議員提案で条例が制定されました。ここで、町内会・自治会の定義を条例で定めました。

川崎市議会の議員提案条例改正案否決

平成31年3月、同条例の改正案を提出。提案者代表を務めましたが、この時の私の提案説明で、町内会・自治会と自治体の関係性における課題を示しました。

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【平成31年 第1回定例会-03月15日-05号より】

発言者:月本琢也

(前略)

川崎市町内会・自治会の活動の活性化に関する条例は、地域コミュニティの中核を担う町内会・自治会の活動の活性化を目的とし、平成26年12月に議員提案条例として制定、翌平成27年4月より施行されました。この4年間で社会情勢の大きな変化と高齢化の進行により、町内会・自治会の活動は以前より負担感が増し、活動の維持継続が厳しい状況にあるところも存在します。現行条例において、市の責務について、町内会・自治会に支援を行うこと、その負担に配慮すること等を定めています。

こうした中、市から町内会・自治会へ交付される謝礼金、補助金のうち、明確な基準のない公金支出が存在します。実態として町内会・自治会の協力による謝礼であっても、このような支出は誤解や風評を招きかねず、その活動に新たな負担を生む危険性を持っています。つまり、町内会・自治会と市のパートナーシップという言葉でお互いさまの感覚で進められてきたことが、新たな負担を生むリスクがございます。お互いさまという我が国の伝統文化から、時代が移り変わり、ルールの整備を行わなければそのような寛容な社会文化を守ることができない時代になってきました。さらに、今後、地域包括ケアシステム等の地域にかかわる新しい制度の創設等により、新たな事務が町内会・自治会の活動に加わる可能性もあり、同様の危険性があることから、適正なルールのもとに謝礼金、補助金が支払われることで、その活動の活性化が将来に向けて妨げられないようにする必要があります。

加えて、町内会・自治会への活動資金源で、市から支出されているものの交付根拠を明示することにより、他の任意団体とは異なる性格のものであることを示すことにもつながります。これまで川崎市議会の中で、公金支出の明確性を求める議論や会派に所属する議員からも、市に対し謝礼金の基準の明確性を求める指摘なども行われています。公金の取り扱いについて、補助金、助成金、報償金、謝礼金など性格によって内容は異なりますが、基準は設置すべきものと全ての議員が認識しているところと思います。以上のことから、町内会・自治会の活動の活性化を進める上で、市が公金支出にかかわる点において一定の基準を明確にすることが必要であると判断し、本条例案を提案するものです。

(後略)

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明確な基準のない公金を受け取ると、町内会・自治会はそれに対する誤解や風評への対応を迫られ、新たな負担を背負うリスクがあります。

これまで、自治体が町内会・自治会と様々なパートナーシップで進んで来たという歴史がありますが、時に、都合のいい押し付けと取られるような事務委託も進められているように思えます。

他方、既存の基準を変えるという行為そのものに否定的な考えを持つ方もいらっしゃいます。

そこで、町内会・自治会のあり方を考えていく必要があります。

「なければ何が困るか?」

「あって何が困るか?」

という基本的なところを考えるにあたり、それぞれの町内会・自治会がどのような活動をしているかを知ることが大切です。

また、町内会・自治会以外で地域活動をしている個人・団体を知ることも大切です。

このように、地域団体が活動する部分と逆に行政が担うべき部分をこれまでの線引きから変えていく必要があります。また、どの団体がどのように担っていくかも考えなければいけません。

すると、画一化された町内会・自治会から、その地域毎で地域に合った形で活動スタイルを変えていく必要があります。

このような中、全国市議会議長会において、特別委員会が始動しましたので、今後、この特別委員会での審議に注目していきたいです。

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