引き際

柳田法相の辞任劇は、あまりにもお粗末でした。
そこで、引き際について、私なりの考えを書かせて頂きます。
今回のような不祥事による要人の辞任は、どのようなタイミングがよいのでしょうか?
2006年、永田議員によるメール問題のとき、前原誠司民主党代表(当時)は、問題の結論がでて、すぐに引責辞任したことは、結果的に評価され、その後の活動につながっています。
今回の柳田氏は、前原氏のような野党の代表という立場ではなく、大臣本人の言葉による問題なので、すぐに辞任すべきでした。柳田氏のことは、まさに現政権の姿を象徴しているようです。

ここ数年、食品偽装問題で、民間企業の体質が問われることが多々ありました。しかし、この問題が発覚したあと、企業がそれを乗り越えて、信頼を取り戻すケースもありました。お客様を大切に考える姿勢がすべてのスタートです。

私自身がサラリーマン時代、ミスにより、お客様にご迷惑をおかけしたことがありました。営業は足を使って通って、お互いの理解を深め、一緒に仕事をしたいと思って初めて契約になります。一緒に仕事をしたいと思ってくれた相手に迷惑をかけたということが一番つらく、何としてでも迷惑をかけた分、仕事で返したいと思い、その結果、会社を離れたいまもお付き合いをして頂いています。

ちょうど私が会社に入社した2003年、石原プロの渡哲也社長は、撮影中の事故で、テレビドラマの撮影中止と無期限延期を即決定しました。しかも、被害者は見物に来ていたファンでしたが、渡社長が見舞いに訪れるという誠意を示したことは有名です。
自分の体裁やその地位や立場を守ろうという感覚を持つと、なかなか決断ができなくなります。渡社長は、スポンサーに迷惑をかけ、損害を出すことを承知の上で、ファンに迷惑をかけたということを一番重く受け止め、決断をしました。

柳田氏、柳田氏を辞めさせようとしなかった菅総理は、一番重要なのは「国民」という感覚ではなくなっているように思い、非常に残念です。