予算決算委員会の設置へ~現在の議論と提案~

議会運営検討協議会で3回にわたり、予算審査特別委員会の常設化等についての議論が重ねられています。
先日の協議会では、各委員の考えをまとめたものが出されましたが、見解が分かれているのが実情です。
常設化を推進する意見もある一方で、現在の形式をベースに課題を見直すという意見もあります。

第5回の議運検討協議会で出された課題
○全委員の共通意見
予算審議の時間が不十分である認識。
今年の日程を参考にすると、予算案が2月8日頃に示され、審議時間が短く、3月7日で予算審議が事実上集結してしまうため、予算案が示される時期を早められないか?が一つの意見。
○私を含め、常設化推進を考える委員の共通意見
・予算決算委員会として通年での予算審議と決算の連動を進めるべき。
・分科会形式を取り、分野ごとに集中審議を行う形を取り、現在の予算審査特別委員会のような総括質疑を行う場を併せる。

私の見解

・予算審議システム

資料のように、通年の分科会形式で、分野ごとの審議をしっかり行うことが重要です。サマーレビューやオータムレビューといった、行政が予算の枠組みを発表する際に、この内容への審議を可能にすれば、決算との連動や次年度施策のプライオリティーについて、予算案が出来上がる前に議会としての意見を明確にできるようになります。
ただし、川崎市議会議員は、市民代表であると同時に区民代表でもあるので、すべてのテーマに対し、総括質疑が行える委員会の場を現在の形式も必要と考えます。

・予算と決算の連動

決算書に合わせ、「施策管理・評価票」という市の施策に対する行政内部での評価、年に2回行われている「市民アンケート調査」による市民の評価がどのように連動されるかが大きなテーマになります。
現在、行政内部の評価では、施策を実行したという実行そのものへの評価で、その施策がどのような成果を生み出し、市政への効果をどのように捉えているかという客観的評価ではないのが実情です。これに、市民アンケート調査の結果を合わせられるシステムができれば、決算と市の施策に対する評価を客観的に表す指標になり得ます。
決算で市の施策を客観的に評価できれば、明らかになった課題に基づき、年度内でも、次年度以降でも、その解決に向け反映されていくのかが、過程の段階からもわかりやすくなります。

・PDCAサイクル
行政の施策について、P(Plan) D(Do) C(Check) A(Action)を行っていると言われていますが、その客観的評価をわかりやすい形で示されていません。
したがって、現在の評価が正しいのか?がわかりません。「施策を実行したこと」が評価になっているものも多く、ここでいう、PとDで終わっている可能性も多々あります。
そこで、客観評価を考え、課題を明確に、解決を明確にしていくためにも、このような形で予算と決算の審査を行っていくべきではないかと考えています。

分科会形式がどのような分け方が理想的なのかや、運用上の課題もありますので、今後、議運検討協議会で議論を重ね、早い段階で予算決算委員会の常設化が実現できるよう、がんばります!