少子化の原因?

1589302_s「一番は、『結婚して子どもを産んだら大変だ』ばかり言っているからそうなる」と麻生財務大臣の発言が展開されたニュースが駆け巡りました。

「子どもを産んだら本当に大変なんです」という反論をしている政治家もいるようですが、そもそも、「大変」の価値観が置き去りに立っているように思います。

私自身は子どもがいないので親になっていません。しかし、子どもの視点で親を見ても、親は大変だと思います。両親が離婚後、父は他界。それでも、私と弟の二人の息子が大学を卒業できたのは、親に苦労を掛けている証拠であり、大変だったと思います。

でも、母は大変だったことを振り返りつつも、大変を不幸とは考えたことはないようです。

三人以上の多子世帯の方々からお話を伺っていると、経済的に大変であること以上に、子どもによって手が掛かったり、掛からなかったり、それぞれの喜怒哀楽や頑張りなど、様々な成長の過程で、子育てを幸せに感じておられます。

そこで、「大変」の価値観の議論の前に麻生財務大臣の持論に目くじらを立てるのは、些か揚げ足取りではないかと感じます。

確かに、麻生大臣のおっしゃる通り、

「結婚はいいものだ。子どもがたくさんいて幸せだ」

「私、めちゃくちゃハッピーです」

と自分で言っている人はなかなかいないのではないでしょうか。

でも、子育て中の方々とゆっくり話していると、実は幸せだったり、幸せな中で困ってる部分があったり、大きな問題を抱えていたりと様々です。

子どもと過ごせる時間を幸せに感じる人がいれば、一人の時間をほしいと思う人もいます。

このように多様な価値観がある中で、一部の政治家が「子どもを産むと本当に大変」という一方的な持論で反論されてしまうと、多子世帯の方々が話される幸せの価値観をネガティブにしてしまう恐れがあります。

子育て支援の課題

そこで、私の「持論」である多子世帯支援の拡充が大切になります。

社会で子育てをするという視点で、多子世帯支援は必要で、子どもが増えない理由は、子どもが多くてもそれに見合った支援制度が充実していないという課題があります。

第一子から第二子、第二子から第三子と増えて行っても倍の支援を受けられるわけではないので、この課題を解決していかなければいけません。

例えば、川崎市では、保育所の保育料が同時に第三子まで通園していると、保育料は第二子半額、第三子無料になりますが、第一子が卒園すると、第三子が半額になるだけです。小学校に入っても、まだまだかかりますので、自治体によって、年齢に関係なく子どもの数で判断するところもあり、このような政策を進めるべきです。

また、就学援助がありますが、他に、大阪市で実施しているような塾代助成制度を例えば多子世帯支援につなげていくということも必要です。

多子を望みながら、第二子から第三子を断念する世帯の7割以上が経済的な理由ですので、第二子以降に手厚い支援をすべきと考えます。

そして、経済的な理由だけでなく、育児休業の取得を始めとした社会環境の整備も重要で、社会全体で育てるという意識を醸成していくことが大切です。孤独だから大変。

確かに、「大変だ」は少子化の原因の一つかもしれませんね。